礼拝堂、第一の晩後の楼座が主人公です。
暗め注意です。

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の足


…わたし、兄さんたちのことが昔から嫌いだったわ。
楼座は心の中で誰にでもなく呟くと、眠るように死んだ兄たちを見下ろす。
鮮やかな彩色の施された、子供の頃誰もが一度は夢見るだろうお菓子だらけのテーブル。
向かい合い鎮座した三組の夫婦はまるで楽しいパーティーに騒ぎ疲れ眠ってしまった子供のよう。

そんな微笑ましい情景に、"体まで溶け混んだ"彼らはきっと甘い。…

安らかに眠る兄と姉。
私はこの人たちのことを心から憎悪する。…でも、
最後くらいは妹として冥福を祈る。

(そうよね。きっと今、兄さんたち喜んでる、
だって今まであなたたち疑いあってきた憎み合ってきた、けれど。)

(もうお互いの腹のうち を探りあわなくていいでしょ!)

やっと争いあう苦しみは消えた、それはなんて、幸福。

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